国民皆歯科健診の義務化

が、『どうかなあ、意味あるかなあ』というのが私の本音です。
大事なのは健診を受けることではありません。現に、子どものうちは学校で健診を受けるわけですが、子どもたちの虫歯や歯周病の状態が良いかというと、そうともいえません。ほんとひどい子はひどいです。
大事なのは意識と行動の変化です。
歯が悪いとどれだけ健康への悪影響があるのか。また、歯の治療というのは、どういった状態になることなのか(完全に元通り、とはなりません)。
また、『予防とは』、どういったことをするのか、なにが必要なのか。
健診を義務化(絶対に健診を受けなさいよ)ということですが、本人が治す気が無ければ、病気を発見しても意味が無いわけです。
そして、虫歯や歯周病は本人のハミガキの仕方や、生活習慣が大いに関わってくるものですので、そのあたりをがんばろうという本人のやる気が無いと、歯科での治療は奏功しません。
厳しい言い方ですが、やる気のない人に健診だけ受けさせてもなあ、ということです。もう既に歯科への健康意識が高い方は、定期的に歯のクリーニングへ通ってみえますし、意識の低い方は説明しても来ないですからね。
口腔内の環境が全身へ及ぼす影響が、色々と指摘されています。
《健診を受けさせて、みんなの歯が良くなれば、全身的にも健康になって、医療費が抑えられるぞ》という目論見が政府にはあるようですが、
医療費を抑えたければ、入れ歯や、被せ物にかかる治療を従来の国民皆保険では出来ないよう自費にすればいいのです。乱暴な意見のようですが、こうすればかなり医療費は抑えられます。
なんてことを言うんだー、歯が悪くなったらどうするんだー、歯無しのままでおれってゆうんかー、という意見も出るかもしれません。しかし、被せ物や入れ歯を入れないといけない状態というのは、かなり悪い状態で、ちゃんと予防歯科の意識があれば、そのような事態にはならないのです。
安くて治療が出来てしまうから、まあ歯なんて悪くなってもどうにかなるだろう、という気持ち、油断が生まれる懸念があります。もし、被せ物や入れ歯に高額に費用がかかるなら、もっと大事にしようと気を付ける人が増えるかもしれません。現に、そういう国はあります。
未だに、歯医者は痛くなったら行くところ、という認識の方は多いです。人の認識を変えることは簡単ではありません。しかし、その認識が変わらなければ、むし歯や歯周病で歯を失うことになります。「別に、歯なくてもいいよ」と言われると、「そうですか…ではまた痛くなったら来てください」となりますけども。
色んな患者さんを診てきていますが、歯が無くなって良かったー、なんて聞いたことないです。後悔先に立たず、歯は大事です。
2022年06月15日 14:47