痛くない歯医者

治療の際にも、患者さんから「痛くないですか?痛くないようにして下さい。あぁ恐いー。」と言われることもあります。
正直に言うと、私は『絶対に痛くないように治療する』ことは出来ません。もちろん、痛みが出にくいよう気を付けてはいます。
歯を削ったり、抜いたりするにしても、その処置が痛くないように、麻酔をします。麻酔は、注射ですので、少しは痛いかもしれません。ただ、昔と比べると、麻酔の針が細くなったり、歯科医師も気を付けている(昔の歯医者は乱暴だった?)ので、痛みが出にくくはなっています。結構昔のイメージをもってみえる方は、「あれ、思ってたより痛くなかった」と言って頂けることもあります。
痛みへの強さ、感じ方というのは、個人差がありますので、こちらとしてはいつもと同じように治療していても、痛そうにされる患者さんも、そうでない方もみえます。麻酔が効きにくい方もみえます。また麻酔が効きにくい状態というのもあります。炎症が強い時は、麻酔が効きにくいです。
ですので、『絶対痛くないように』はお約束できないのです。
痛みには閾値といってハードルみたいなものがあります。閾値が低い方は痛みを感じやすいです。これには精神的なことも関与します。
昔、歯科治療をうけた時の痛みがトラウマになってしまって、という方は閾値が低くなって痛みを感じやすい、麻酔が効きにくくなることがあります。それは治らないわけではないでしょうが、簡単ではありません。
歯科が恐怖体験にならないように、小さなころから歯科を受診し、歯を削る治療ではなく、歯のそうじやハミガキ練習、フッ化物の塗布なんかを受けてもらうと歯科嫌いにならずに済みます。2~3歳くらいでは、いわゆる物心がつく年齢になってきます。この時からすでに、虫歯の治療が必要になってしまっていると、その子に歯医者の良い印象を与えるのは難しいかもしれません。
乳歯の場合よほど大きな虫歯でなければ、麻酔もせずに痛みなく治療ができます。しかし、歯を削る器械のキーンというあの音なんて不快ですよね。で、それが口の中へ入ってきてなんかされるわけです。こどもが「先生は僕のためにがんばって治療してくれてる」なんて考えてはくれません(一部の大人もそうかもしれませんが)。ですので、そういう体験をさせずに済むことが、歯医者嫌いにさせない方法です。
大人になっても、「歯医者は嫌い、怖いから行きたくない」なんて言わずに、しっかり治療、メンテナンスをしておきましょう。
2024年04月27日 15:14