歯が保たれる仕組み
歯ぐきの内側には骨(歯槽骨)があり、その骨と歯は歯根膜という繊維でくっついています。
ですので、その骨や歯根膜を失うと、歯はもちません。そして、それを失う最大の原因が歯周病なのです。
歯周病菌はお口の中にいますが、特に酸素が無いところを好みます。それはどこかというと、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)です。
歯の付け根の汚れが取れていないと、歯周病菌はどんどん歯周ポケットの中の方へ入っていきます。健康な歯ぐきは、ポケットの深さは2~3㎜です。これが4㎜以上になってくると、歯周病が進行した状態です。
これが、7㎜以上になってくると、かなり危険です。深い歯周ポケットは、歯周病菌にとっては最高の住処となります。そこはもう完全に患者さんの手が届かない領域です。
10㎜以上であれば、もうその歯は抜いた方がいいかもしれません。治療しても治る見込みは少ないです。
歯周ポケットが深く、さらに出血なんてしていたら、歯周病菌にとっては天国です。血は歯周病菌のエサですから。
そんな状態が続くと、骨が溶けて、歯がグラつくだけでなく、細菌が体中を巡って様々な病気を引き起こします(脳梗塞、心筋梗塞、認知症、肺炎、糖尿病、早産、等々)。歯なんて悪くても放っておいても死にはしない、なんてことは無いのです。
恐ろしいですね。こんな話を読んでしまったら、普通は放っておかないです。ちゃんと治療しようと思われるはずです。
ここまで読んでも、治療をされない方は、困ったさんです。それはこちらが困るのではなく、本人が困ったことになるよ、という意味です。歯周病は全身にかかわる病気ですのでほんと厄介です。
2024年02月17日 11:40