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鳥羽の木村歯科医院はお口の健康を通じて、全身の健康のお手伝いをいたします。

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リニューアルから五周年

 私が鳥羽に帰ってきて、5年が経ちました。
 院長(父)に代わって、私(副院長)が患者さんを診せてもらう機会が増えたのですが、ご年配の方の中には「大(おお)先生にみてもらいたい」という方もみえますので、まだまだ院長も診療しています。

 昔の(というと語弊があるかもしれませんが)歯医者というのは、患者さんの虫歯がとても多い時代でしたので、虫歯や入れ歯の治療が主体である歯科医院が多かったようです。
 私がいつも書いている、予防というのは、院長が私の年齢くらいの時には、無かった考えのようです。
 しかし、私が帰って来てから、度々『予防が大事』と言ってきました。その成果か、予防の為にメンテナンスに通ってみえる患者さんが、以前よりかなり増えてきました。

 何かあってからの治療では後手後手となり、どうしても歯の長持ちにはなりません。ですので私は患者さんが気になっていなかった事でも、状況を説明し、治療方法を提案するようにしています。それが鬱陶しい方もみえるかもしれません。
 『患者様第一』、『お子様の嫌がることはしません』と書かれているホームページなどがあります。しかし、なんでも患者さんが思うように、というのが患者ファーストではないと私は考えています。本当にその患者さんに良くなって欲しいと思えば、治療方法によっては、嫌なことも了承して治療を受けて頂いた方が、将来的には良好な状態が維持できるというケースは多々あります。よその医院で、こどもが嫌がらないようになのか、忙しくてなのか、中途半端な処置しかされず、のちに腫れてきて、当院へみえた方もいます。余計に治療が大変になって、そのお子さんも、親御さんも大変です。嫌なことから逃げると、後で大変になってしまうのです。
 そして何より、そんな大事に至らないように、予防が大切なのです。

 以前も書きましたが、歯の事で苦労をされた方は、歯医者を嫌いで、遠ざける方が多いです。しかし、そういった方こそ、歯科とお近づきにならないと、歯を守ることはできません。歯医者を嫌わないで下さい(T_T)
 先生と呼ばれる職業でも、良い人ばかりではありません。「私は良い歯医者ですよ」と言ったって、嘘くさいですが、良い歯医者と信じて通ってもらえるように、これからもがんばります。
2023年04月15日 10:22

chatGPTに聞いてみた

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 話題のchatGPTをご存じでしょうか。
 チャットボット(ロボットと会話する機能)の一種で、質問すると、かなりしっかりした返答がくるとのことで、私もやってみました。
 色々と質問してみたのですが、ここに一つ挙げます。

 『痛みもないのに、歯科を受診する意味はあるのか』と聞いてみました。
 返答はこうです、長文です。
 『はい、痛みがなくても、定期的な歯科検診は非常に重要です。歯科医師は、虫歯や歯周病などの口腔内の問題を早期に発見し、治療することができます。定期的な検診は、予防的な歯科ケアの重要な部分であり、歯を健康的に保つために必要な手段です。
 
 さらに口腔内の健康状態は、全身の健康状態にも影響を与えることがあります。歯周病などの口腔内の炎症は、糖尿病、心臓病、脳卒中などの全身疾患のリスクを増加させる可能性があります。定期的な歯科検診は、これらの疾患のリスクを減らすためにも重要です。

 つまり、痛みがなくても、定期的な歯科検診は口腔内と全身の健康を維持するために非常に重要な役割を果たします。定期的な検診を受けることで、歯を健康に保ち、予防的な歯科ケアを実施することができます。』

 適切な返答だと思います。患者さんから質問されたら、chatGPTを使って返答しても、問題ないレベルです。
 興味がある方は、使ってみてはどうでしょうか。
2023年03月13日 14:27

口腔がん

OIP
 口腔(こうくう)がんとは、口の中にできる悪性腫瘍のことです。

 舌、歯ぐき、頬の粘膜、唇などの軟組織の他、骨にもできますが、歯には癌ができません。
 そもそも、腫瘍とは細胞が増えすぎた集まりみたいなもので、悪性となるとそれがあちこちに転移して悪さをするのです。
 で、歯はエナメル質や象牙質、セメント質からできていて、それ自体は細胞ではない為、細胞分裂も起こらないので、増えすぎることはなく腫瘍にはなりません。
 
 がんは見た目だけで診断することは出来ません。正確には病理検査といって、細胞を取って顕微鏡でみたりしないとわからないのです。
 口内炎なのか、入れ歯などで傷ついただけなのか。通常の粘膜と見た目が違う、なにかできものがあるけど、良性なのか、悪性なのか。
 心配になるかもしれませんが、自然と治ればまず癌ではありません。なので、まずは経過をみるということもあります。

 口内炎や傷のようなものであれば2週間くらいあれば治ります。逆に、何か月経っても治らない、大きくなってきている、というのは検査をした方がいいでしょう。

 お口の中を鏡で見てみて、気になることがあれば近所の歯医者へ行ってみましょう。経過観察となるか、もしくは病院の口腔外科へ紹介となるかもしれません。
 病院へ紹介するのは、先ほど書いた病理検査というのは一般の歯科医院では行えないからです。

 悪い物であれば、早期に発見・治療しておくことが大切です。
 お口の中で、気になることがあれば、気軽にご質問下さい。
 

 
 
2023年02月13日 15:35

歯並びは、見た目のため?

OIP
 近頃テレビをみていて、歯の矯正の装置を着けている人を見かけることが多くなった気もしますが、気のせいでしょうか。

 みなさん、歯並びが悪いと、まず思うのが見た目のことかもしれません。
 もちろん見た目としても、キレイな歯並びの方がいいです。しかし、本当に大事なのは咬み合わせなのです。

 ときどき「歯の矯正をしました」という患者さんで、ぱっと見きれいに歯は並んでいるのに、咬み合わせがあんまりな方がみえます。開咬といって、奥歯の一部にしか咬み合わせが無い状態です。これは奥歯に負担がかかりやすく、良くない状態です。
 
 人間は食事の際に、下顎が動いて咀嚼するのですが、単純に上下に動くだけではなく、横に動いてすり潰す動作も入るわけです。
 この時に、糸切り歯(犬歯)がちゃんとした位置に生えていると、その歯が側方(よこ)への動きをガイドして、奥歯に負担がかからないようにしてくれます。
 奥歯(臼歯)は、縦にグッと力をいれるのには強いのですが、横からの力には弱いので、それを犬歯が守ってくれるのです。犬歯はそういった大事な役割があるため、一番根っこの長い丈夫な歯です。
 ですので、先述の開咬や八重歯というのは機能的に良くないかみ合わせなのです。

 また、単純に歯並びが悪い、がたがたで、色んな向きに生えていたりすると、歯のそうじが難しいですよね。そこに汚れが溜まって、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
 歯並びが悪いと、被せ物や入れ歯を作る過程でも難しいことがあります。
 よい歯並びは、歯の長持ちにも繋がるのです。

 歯並びが悪い原因として、先天的なものであったり、遺伝もあります。しかし、子どもの頃からの癖や、悪い歯を放置したから、など後天的な原因もあります。
 いぜれにしても、歯並び・咬み合わせは大事ですね。ただ、矯正治療は自費になるケースがほとんどですので、経済的な理由で治療が難しい方もいるかもしれません。治療費には、数十万円~百万円くらいかかることもあります。
 子供のうちから治療を始める方が、費用が抑えられることもありますので、気になった親御さんは一度相談だけでもされることをお勧めします。
 また大人では手遅れで、どうしようも無いということはありません。高齢でも矯正治療を行うことはあります。本格的な矯正治療は、当院では行っていませんが、気になった方はご相談ください。
2023年01月14日 16:09

理想と現実

OIP
 理想の対義語は現実です。
 そもそも理想というのが、完全な状態みたいな意味なので、そこに至ることは非現実的なんでしょう。

 歯科医師としての私の理想は、自分が担当した患者さんの歯が悪くならないように、生涯口の中の事で悩まずいられることです。
 綺麗事のようですが、せっかく木村歯科に来てもらった患者さんにはもちろん、良い状態で歯を保って欲しいですし、自分が治療した歯は一生もって欲しいです。
 しかし、こうやって書いてみると、やはり理想の反対は現実なのです、悲しいですけど。

 何度も書いているかもしれませんが、虫歯や歯周病がかなり進行した状態で、そこから何とかしようとしても、長持ちは難しいのです。
 ですので、かなり悪化した状態では、がんばってハミガキをしても、治療をしても、いつかはダメになります。
 そうならないように、子ども、なんなら赤ちゃんのうちから、予防歯科が実践できると良いのですが、これまた現実にはそういった方は少ないのです。

 私は嫌々仕事をしているわけではないですが、歯を抜いたり、削ったりが楽しいわけではありません。それが小さい子どもになら、なおさらです。
 小学生くらいになると永久歯が生えてくるわけですが、子どものうちから永久歯にむし歯ができてくるようでは、将来的にはその歯を残すことが難しくなってきます。
 以前にも書きましたが、虫歯の治療をした歯は、よほど頑張ってお口の中の環境が改善されない限り、また虫歯になります。それを繰り返すことで、歯が無くなっていくのです。

 中には、ハミガキがあんまりでも、虫歯にならない人がいます。「自分は歯が丈夫だー」と思っていると、コワいのが歯周病です。中年や高齢になって、歯ぐきが腫れた、歯が揺れてきた、と気づいた時にはもう遅いかもしれません。

 自覚症状が出る前に、対処するから予防なのです。なかなか若いうちから、歯が無くなった時のことを想像するのは難しいかもしれません。
 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
 という格言があります。ここでいう歴史とは他者の経験と考えましょう。入れ歯をしているおじいさんやおばあさんの話を聞いてみれば、「入れ歯はいいよー」という声は聞かないでしょう。歯が無くなって、入れ歯になってから、「もっと歯を大事にしておけば良かった」では遅いのです。
「入れ歯は嫌だけど、インプラントにすればいいんでしょ?」というのも甘い考えです。

 一番良いのは天然の歯です。イプラントは、歯が無くなった時の対処としては、おススメの治療方法ではありますが、手入れが出来ない、メンテナンスへ通えない方には勧められません。
 ハミガキも、歯医者に通うのも面倒だ、ようせん。という方には、インプラントなどの高額な治療をしても悪くなりやすい、長持ちしないので、もったいないです。

 生涯自分の歯でなんでも食べられるようにすることは、実現不可能な理想ではありません。ただし、それは予防歯科の実践ができた場合の話です。理想には至ることが難しくても、あきらめたらそこで終わりです。お互い頑張りましょう。
 
 
 
2022年12月13日 14:54

むし歯の治療とは

OIP
  そもそも虫歯の治療とは何をしているのか。

  まずはじめに、歯の構造についてです。
  歯の表面にはエナメル質、その内側に象牙質があります。さらに内側には歯髄(骨髄って聞いたことあると思うのですが、それの歯バージョンです)といって、神経や血管が入り込んでいます。歯髄と呼ばずに、患者さんには簡易的に、歯の神経と言ったりもします。
  エナメル質は、体の中で最も固い物質です。しかし、酸によって溶かされてはしまいます。ムシバ菌が糖から作り出した酸によって、歯が溶かされてしまうのが虫歯です。表層の虫歯であれば様子見でもいいですが、もっと進行して象牙質まで溶かされてしまうと、治療をした方がいいです。
 
  その治療方法は、詰め物です。虫歯になった部分を削り取って、樹脂なり金属なりの詰め物をします。歯が元通りになるわけではなく、人工物で補った形になります。切り傷や、骨折みたいに自然には治らないのです。
 
  虫歯がかなり深く、歯髄にまで到達していると、歯髄を取らなければいけません。神経をとる、根の治療と言ったりもします。
  なぜ歯髄を取らなければいけないか。虫歯になった部分には細菌がたくさんいます。それが歯髄にまで到達しているということは、歯髄が細菌感染したと考えるからです。どこまで感染したかというのはわかりにくいので、その歯の歯髄をすべて取り除きます。(自費診療では歯髄を取らずに、薬を置いて経過をみて、歯髄を保存するというやり方もあります。詳しいことはここでは割愛します。)
  歯髄を取るには、そのための道具が入るように、歯をたくさん削らなければいけません。根の治療が済んだら、その歯を補強するために被せ物を作る工程になります。また歯を削って、そして型取りをします。
  歯を削るのはよくない、といいますが大きな虫歯になってしまった場合は、やむを得ません。
 
 また虫歯の深さと痛みの程度は、必ずしも比例しませんので、痛くないから虫歯は無いだろうという判断は危険です。
以前にも『差し歯とは』のブログで書きましたが、被せても虫歯にはなります。詰めたり、被せたりした歯が、また虫歯になることを二次むし歯といいます。同じ歯が何度も虫歯になれば、いよいよその歯は残せなくなってきます。
 
  残念ながら、虫歯になりやすいのは、何も治療していない歯より、詰めたり被せたりした歯なのです。その理由としては、そこに汚れが溜まりやすいからです。なので、「治したからもう安心」ではなく、これまで以上に気を付けなければいけないのです。
 すでに銀歯だらけという方は、そもそも虫歯のリスクが高い方なので、かなり注意が必要です。反対に、銀歯が一本も無い、処置した歯があっても小さな詰め物くらい、という方は虫歯のリスクは低いと考えられます(しかし歯周病のリスクが高い場合がありますので油断はできません)。
 
 限りある資源を大切に、とか言いますが、歯も同じです。虫歯の治療を繰り返すことで、どんどん自分の歯の部分は無くなってしまいます。痛くなったら、神経とって、被せて、の繰り返しでは歯を残すことは厳しいです。予防の意識と、行動が大切です。
 
2022年11月09日 16:08

親知らず

OIP
 親知らず、と聞くと嫌なイメージがしますか?痛い、という言葉が浮かぶでしょうか。

 なぜ親知らずと呼ぶか、ご存じの方もみえるかもしれません。昔は日本人の寿命が50歳くらいの時代がありました。その時代では親知らずが生えて来た頃(大体は20歳前後に生えてくることが多いです)には、親が亡くなっていたから、親が知らない頃に生えるから親知らずと呼ばれたという説があります。
 他には、親知らずの事を智歯とも言いますが、これは知恵とかの意味の智ですが、知恵とか分別がつくような歳になって生えてくる歯だからそう呼ぶそうです。

 親知らずは抜いた方がいいのか。私が患者さんに話すのは、中途半端に生えて、噛むことに役立っていない場合、磨きにくい場合は抜いた方がいいと説明します。
 逆に、ちゃんとした向きで生えて、しっかりかみ合わせが出来ている場合は、残しておいた方がいいです。
 他には、完全に骨の中に埋まってしまっていて、特に悪影響が無さそうなら、そのままにしておいてもいいと思います。

 なかなか親知らずがきれいに生え揃うことは少ないです。現代人は昔と比べ、固いものを食べる機会が減ったため、顎が小さくなり、歯がキレイに並ぶスペースが無くなった為だと、言われています。中には、親知らずの手前の歯ですら、生えるスペースが足りない子も見かけます。

 抜いた方がいいパターンの親知らずは、早いうちに処置をした方が良いです。
 ①磨きにくい部分に汚れがたまって、親知らずの手前の歯にも虫歯を作ってしまうから。
 ➁年を取ってからだと、抜いた後の骨の治りがよくないことがあるから。
 以上の理由から、20代前半で抜歯することをおススメします。

 ちなみに、上顎の親知らずは、埋もれていなければ、簡単に抜歯できることが多いです。腫れもほぼ出ません、絶対ではないですが。
 下顎の親知らずで、横向きに生えているパターンでは、歯ぐきの切開や、少し周りの骨を削らないといけないこともあるので、腫れることがあるかもしれません。あと、難しそうな症例では、病院の口腔外科へ依頼することもあります。

 親知らずの抜歯は、怖いかもしれませんが、決心して処置しておいた方が今後の為には良いと思います。

 
2022年10月18日 16:07

歯周病の治療とは

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 歯周病の治療とは実際どういったことをするのか、説明します。

 簡単に書くと、歯の周りについた汚れ(細菌のかたまり,プラークやバイオフィルムともいいます)をそうじするのが、歯周病の治療です。「歯石とり」などと言ったりもしますが、正確には歯石というより、細菌の除去が大事です。厳密に言うと、歯石自体に病原性は無いのですが、そのざらざらした表面は、細菌の温床となりやすいので、結局は歯石はとらなければいけません。
  歯周病は、歯ぐきの病気と言ったりもするのですが、原因は歯の周りに付着した細菌ですので、歯ぐきのそうじというよりは、やはり歯のそうじが必要です。

 また歯周病は、歯肉炎と歯周炎に分けられます。
 歯肉というのは歯ぐきのことですが、炎症が歯ぐきに起きているのが歯肉炎です。そして、その炎症が歯肉に留まらず、骨にまで進行してしまったものが歯周炎です。骨まで進行したというのは、骨が溶けてしまったということです。重度になると歯根の周りの骨がほとんど溶けてしまい、歯がぐらぐらしてきて、最終的には抜け落ちます。

 歯の掃除なら、ハミガキでしょ。そんなの自分でしてるよ。と思われる方もいるでしょう。
 たしかに軽度の歯肉炎であれば、きちんとハミガキできれば治ります。ですが、歯周炎まで進行するとそうはいきません。歯ぐきの中にまで細菌がすみついてしまい、その治療(掃除)は歯科医院で行うしかありません。
 歯周病の治療の流れとしては、検査→治療(浅いところのそうじ)、少し時間をおいて検査→その結果を踏まえて治療(歯ぐきの中のそうじ)、またしばらく時間をおいて検査→
その後経過観察とするか、外科処置を行うか。その後、また検査。といった流れとなります。
 一通り終わったとしても、歯周病治療に終わりはありません。継続が大切です。お口の中は細菌だらけで、治療したからといって菌がゼロになることはないのです。そもそも一般的な掃除って終わりがないですよね、一回やって終わり、なんてないはずです。一般的な掃除の頻度は人によって違うと思いますが、歯周病も同じです。普段からキレイに手入れされていて、ほとんど歯周病の心配が無い方は、歯科医院でのメンテナンスも半年に一回や年に一度でもいいと思います。反対に、歯周病が進行してしまった方、お手入れがあまり上手に出来ない方は、もっと高頻度に、場合によっては月一くらいで来てもらった方が良いケースもあります。
 
 以前にも書きましたが、一番大事なのはご自身での手入れです。歯科医院でのそうじは年に数回ですが、ご自身での手入れは毎日のことです。患者さん自身の手入れが不十分であれば、歯科医院でのそうじだけでは悪化していくこともあります。毎日のように来てもらえば、ご自身でハミガキしなくてもいいですが、そうはいかないですよね。
 ですので、こちらから手入れの仕方をアドバイスさせてもらうわけです。もちろん一回アドバイスしただけで上手くいくわけはないし、以前は出来ていても甘くなってくることもあるでしょう。自分では出来ているつもりでも、実際はなかなか出来ていないものです。プロのスポーツ選手でも、コーチをつけてアドバイスをもらい練習や試合に挑むわけですが、コーチに勝たせてもらうわけではないですよね。アドバイスを受けて、最後は自分の力で何とかするわけです。
 
 歯周病は自分で治す。これくらいの気持ちが必要です。主役は患者さん自身です。厳しい言い方ですが、本人にその気がなければ、または気持ちだけで行動が伴わなければ、歯周病は治せません。
2022年09月16日 16:36

TCH

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 TCHとはTooth Contacting Habit の頭文字で、日本語で言うと、上下歯列接触癖です。
 ふだん安静にしている時、唇は閉じていて上と下の歯は接触していないものです。歯が接触するのは食事や会話のとき、唾を飲み込んだ時など、で接触時間としては一日で20分もないと言われています。それを長時間接触させてしまう癖があると、様々な影響をもたらす可能性があります。

 その影響としては、歯の痛み、詰め物がとれやすい、歯が割れる、入れ歯の痛み、歯周病の悪化、かみ合わせの違和感、頭痛、顎関節症、舌痛症、口内炎ができやすい、など色々なものが挙げられます。
 
 どんな時にTCHが起こりやすいか。 
緊張した場面や、黙々となにか物事に集中している時に起こりやすいと言われています。例としては、PC作業であったり、料理をしている時だったりですが、私は患者さんの治療中にしてしまっていることがあります。スマホや読書など、長時間下向きでいることも要注意です。

 なかなか癖というのは、自分で気づきにくいものです。TCHを是正するには、まずは気づくことが第一歩です。鏡でお口の中を見てみて下さい。ほっぺたの内側に線というか,なにか痕(あと)がついてないですか。つるんとした面ではなく、そうしたものがついていたら、TCHの可能性があります。頬や舌に力が入ることで、その粘膜に歯の痕がついてくるのです。
 そして、よくない癖は直せるのがよいのですが、「歯をくっつけたらだめだ!」とあまり強く意識するのは逆効果です。脳は否定語を理解するのが難しいといわれています。「~~~の事は考えるな」と言われても、逆に意識しちゃいますよね。
 
 TCHを直す為に①
まず何回か歯をくっつけたり(軽く嚙み合わせたり)、離したりしてみます。そのとき、指でほっぺたのすこし後ろ側(咬筋)や、こめかみ・側頭部のあたり(側頭筋)を触れてみて下さい。するとわずかな歯の接触でも、筋肉が動いているのがわかると思います。この筋肉の活動が長時間続けば、疲労してしまうのは想像できないでしょうか。

 TCHを直す為に②
次には、PCや部屋のあちこちに付箋を貼っておくことです。「歯をはなす」「リラックス」などと書いて。
前述したように、ずっと意識しっぱなしも良くはありませんので、付箋に気づいたら意識して、力を抜くようにしてみる。

 これを繰り返していると段々と歯を接触させていることが負担をかけ、そこから疲労感につながっていたことを自覚できるようになります。

 力で歯が壊れる、とは以前書きました。食いしばりや歯ぎしり程の強い力ではありませんが、このTCHも悪影響を及ぼす可能性は十分あります。知識として頭に入れておいてください。
 

 

 
2022年08月08日 15:41

酸蝕症

OIP
 聞いたことはありますか?さんしょくしょう、と読みます。
 酸により歯が溶けてしまう症状です。

 むし歯は細菌が作り出す酸により、歯が溶けてしまうのですが、酸蝕症は細菌が関与せず、酸に歯がさらされることにより、溶けてしまう状態です。

 その酸としては、酸性の食べ物・飲み物であったり、胃液だったりと様々です。
 ここで酸性のものとして、あまり思い浮かべないものがジュースです。コーラとかの炭酸飲料なんかは、けっこう酸性なんですね。
 コーラだとpH2.2、スポーツドリンクはpH3.5くらいだそうです。オレンジジュースやワインや日本酒、ビールなどもpH4くらいで酸性です。
 歯が溶けだすpHが5.5です。pHが5.5より低い飲料の摂りすぎは要注意です。
 お茶、牛乳、水などが大丈夫で、他はほとんどが酸性の飲み物と思っていいかもしれません。

 お口の中が酸性になると、歯が溶け出すのですが、唾液の作用により、徐々に酸が中和され、溶けた部分も再石灰化して元に戻ります。しかし、頻回に摂取していると、酸から回復する時間が無く、歯がやられてしまうのです。酸にも要注意ですが、砂糖が入った飲み物はより注意が必要です。
 ただ、まったく飲まないようにするのは難しいので、量や頻度を少なくできると良いと思います。暑い季節で熱中症がコワいですが、スポーツドリンクを飲んでばかりだと、歯の事を考えると心配です。麦茶なども飲まれると良いかと思います。
 酸性の飲料をとってはいけないわけではないです。ほどほどにしましょう。
2022年07月13日 17:14
医院名
木村歯科医院
住所
三重県鳥羽市大明東町20-3
電話番号
TEL 0599-26-2588
診療時間
9:00〜12:00
14:00〜18:00
休診日
木曜、日曜、祝日

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