予防歯科・小児歯科・審美・ホワイトニングなら三重県の木村歯科医院

鳥羽の木村歯科医院はお口の健康を通じて、全身の健康のお手伝いをいたします。

HOME ≫ ブログページ ≫

ブログページ

国民皆歯科健診の義務化

OIP
 歯科健診の義務化が検討され、テレビでも話題に上がっています。
 が、『どうかなあ、意味あるかなあ』というのが私の本音です。

 大事なのは健診を受けることではありません。現に、子どものうちは学校で健診を受けるわけですが、子どもたちの虫歯や歯周病の状態が良いかというと、そうともいえません。ほんとひどい子はひどいです。

 大事なのは意識と行動の変化です。
 歯が悪いとどれだけ健康への悪影響があるのか。また、歯の治療というのは、どういった状態になることなのか(完全に元通り、とはなりません)。
 また、『予防とは』、どういったことをするのか、なにが必要なのか。

 健診を義務化(絶対に健診を受けなさいよ)ということですが、本人が治す気が無ければ、病気を発見しても意味が無いわけです。
 そして、虫歯や歯周病は本人のハミガキの仕方や、生活習慣が大いに関わってくるものですので、そのあたりをがんばろうという本人のやる気が無いと、歯科での治療は奏功しません。
 厳しい言い方ですが、やる気のない人に健診だけ受けさせてもなあ、ということです。もう既に歯科への健康意識が高い方は、定期的に歯のクリーニングへ通ってみえますし、意識の低い方は説明しても来ないですからね。

 口腔内の環境が全身へ及ぼす影響が、色々と指摘されています。
 《健診を受けさせて、みんなの歯が良くなれば、全身的にも健康になって、医療費が抑えられるぞ》という目論見が政府にはあるようですが、
 医療費を抑えたければ、入れ歯や、被せ物にかかる治療を従来の国民皆保険では出来ないよう自費にすればいいのです。乱暴な意見のようですが、こうすればかなり医療費は抑えられます。
 なんてことを言うんだー、歯が悪くなったらどうするんだー、歯無しのままでおれってゆうんかー、という意見も出るかもしれません。しかし、被せ物や入れ歯を入れないといけない状態というのは、かなり悪い状態で、ちゃんと予防歯科の意識があれば、そのような事態にはならないのです。
 安くて治療が出来てしまうから、まあ歯なんて悪くなってもどうにかなるだろう、という気持ち、油断が生まれる懸念があります。もし、被せ物や入れ歯に高額に費用がかかるなら、もっと大事にしようと気を付ける人が増えるかもしれません。現に、そういう国はあります。

 未だに、歯医者は痛くなったら行くところ、という認識の方は多いです。人の認識を変えることは簡単ではありません。しかし、その認識が変わらなければ、むし歯や歯周病で歯を失うことになります。「別に、歯なくてもいいよ」と言われると、「そうですか…ではまた痛くなったら来てください」となりますけども。

 色んな患者さんを診てきていますが、歯が無くなって良かったー、なんて聞いたことないです。後悔先に立たず、歯は大事です。
 
2022年06月15日 14:47

総入れ歯の歯科医

OIP
 一本も歯が無いと、総入れ歯を作ることになります。

 歯科医師ならほとんどの者が、患者さんに入れ歯を提供しているわけですけども、歯科医師本人が総入れ歯をつけているというケースは非常に稀です。

 ですので、ほとんどの歯科医師は、総入れ歯の患者さんの気持ちがわかりません。自分が経験したことがないことを、その人の気持ちがわかる、というのは非常に難しい(不可能に近い)ことではないですか。

 そういった想いで、自分の上顎の歯を全部抜いてしまった歯科医師がいました。そして、全国各地の入れ歯作りで有名な歯科医師のもとへ、入れ歯の作製をしてもらいに行ったそうです。しかし、ひとつも納得のいくものは出来なかったそうで、その後、ご自身で色々と研究、試行錯誤されたそうです。
 歯科の書籍にも書かれていることですが、天然歯と比べ、入れ歯の咀嚼能力は数分の一になる、と言われています。入れ歯名人が作ったとしても、天然歯には敵いません。
 
 因みに、私は入れ歯名人ではありません。しかし、私が作った入れ歯でも、「調子ええわ」と言ってくれる方がみえます。それは今までに入れ歯の経験がある方です。

 はじめて入れ歯を使った方で、「調子いいよ」「なにも不自由ないよ」という言葉はまず聞けません。なんらかの不満は出てきます。
 しかし、それは仕方がないことだと思っています。入れ歯は、義歯とも言います。義足ならすごく練習、リハビリが必要です。義足ほどでないにしても、義歯でもやはりリハビリは必要です。使ってみて、色々と試行錯誤しながら、だんだん良くなっていくものです。
  
 そして、入れ歯をもう自分の体の一部のように、上手に使いこなす方もいれば、「全然使えない」「違和感があって、はめてられない」という方もみえます。
 
 入れ歯の出来は歯科医師、歯科技工士の技量によるというのも当然ありますが、患者さんの許容度も大いに関係します。
 入れ歯自体をはめてられないというのは、お手上げに近いものがあります。また、入れ歯でも自分の歯と同じように噛めるものと思い、期待が大きすぎる方も難しいです。
 入れ歯の経験者でベテランの方は、この点をクリアしてみえるので、私のようなものが作ってもうまくいくわけです。

 入れ歯経験者でも、今までに保険診療で何個も入れ歯を作って、いっぱい持っているけど、どれもしっくり来ないわ、という方も難しいです。
 なにが難しいかというと、保険のやり方では、どうしても一発勝負で作っての、出たとこ勝負になってしまいます。とりあえず作ってあとは多少の調整を繰り返す感じです。
 少しの調整だけで済めば良いですが、そうはいかないこともあります。また、保険では短期間に何度も作り直すことは出来ません。
 自費診療であれば、まず叩き台となる入れ歯を作って、そこから患者さんにあった入れ歯に改良していき、またそれを元に作って、と手間をかけられる幅が全然違ってきます。私も色々と勉強はしていますので、保険とは違った入れ歯の作り方を知ってはいるのですが、なかなか作らせてもらうケースはありません。費用が数十万円かかりますし、何個か入れ歯を作っていくこともありますので、時間もかかります。そのあたりをご理解いただける方は少ないです。
 
 入れ歯って簡単ではないんですよ、作る方も使う方も。
 
 
2022年05月20日 11:56

よく噛んで はいけない?

OIP
 力で歯が壊れるという話を以前しました。

 「よく噛んで食事をしよう」「噛むことが脳の活性につながります」ということを耳にしたことがありませんか?

 これは、間違ってはいませんが、注意が必要です。

 よく噛んで、というのは、数回噛んだだけで飲み込むの(早食い)はよくないですよ、ということです。一口につき30回くらい噛むと良いと言われています。きちんと咀嚼すると唾液がよく出て、消化がよくなり、また時間をかけて食事することで満腹中枢がみたされ、肥満の防止になります。
 よく噛む というのは、力を込めて噛むことではありません。過剰に力をかけることは、歯を壊すことに繋がります。また、固いものを噛んでも、歯が鍛えられることはありませんので、悪しからず。その方の歯の状態によっては、固いものは避けてもらった方が良いこともあります。
  
 嚙むことは脳への血流を増やし、良い刺激を与えます。しかし、だからと言って、1~2時間もガムを噛んでいる、というのもやりすぎです。

 歯に痛みや、違和感があって歯医者に行っても、むし歯ではありません、と診断されたら、その原因は力のせいかもしれません。特に、もう奥歯が無いのに、力のかかる癖がとれない方は、どんどん歯を失う可能性があります。

 と、ここまでは噛みすぎの話をしましたが、ここからは噛まなさすぎの話です。
 小さい頃から、やわらかいものばかりの食事だと、顎が発達せず歯並びが悪くなる可能性があります。食の欧米化が良くないとの意見もあります。
ですので、ある程度は歯ごたえのあるものを食べた方が、子どもの成長のためには良いかもしれません。

 なんでもやりすぎはよくありませんので、ほどほどに。
 

 
2022年04月18日 08:52

レジー・ルイス

OIP
 かつてNBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)にレジー・ルイスという名選手がいました。
 ある日突然、彼は試合中に倒れました。彼の為にチームは高名な医師を何人も呼び集め、検査データを元に診断を依頼しました。その結果、心筋症との診断で、生命の危険を考えると、選手をやめなければならないとの結論が下りました。
 その結果に本人はショックを受け、別の医師を訪れました。その医師は親身に患者を診ることで有名だったそうです。
 診断は、神経調整性失神で、注意すれば問題なく選手生活を送れるとのことでした。ルイスはこちらの診断を信じたのですが、結果的には練習中に倒れ、帰らぬ人となってしまいました。

 色んなことを考えさせられる事例です。
 人は自分にとって都合が良いものを信じたいものです。また、データだけで診断した高名な医師集団よりも、何度も直接会って話した、親身になってくれた医師を信じたくなるのも不思議ではありません。
 医師には、正しい診断と、優れた治療技術が求められるのですが、すべての医師がそれを持っているわけでもなく、またそれを見抜くことは難しいです。医師から厳しい態度で、自分にとって不都合な診断がなされたとき、それを間違っていると決めつけることも違うでしょうし、優しく寄りそってくれた医師が、自分の期待していた診断をしてくれ、信頼しきるのも危ないかもしれません。医師と患者も、人と人なので、合う合わないもあると思います。
 
 人により考えや意見は様々であり、ネットでも色んな情報が手に入りますが、自分にとって都合が良いものだけを集めて、判断することは危ないかもしれません
 ネットで調べているとき、私は歯科の分野であれば、「これは怪しいことが書いてあるなあ」と気づきます。しかし他の分野だと、「へえー、そうなんや」と実は怪しい情報に気づかず、信じてしまっている可能性もあるわけです。専門家でも言うことが違ったりすることがありますし。
 
 専門家のいうことが絶対正しいわけでもありません。ネットが正しいわけでもありません。テレビが正しいわけでもありません。多数派が正しいわけでもありません。
 最後は自分で決断するということになります。結局なにを言いたいのか、よくわからんブログになってしまった感はありますが。世の中に『絶対に正しいこと』は無いし、自分が信じた道を行くしかない、決めたら人のせいにはできない、と私は考えております。
 私が絶対正しいとは言えませんが、信頼される歯科医であるよう頑張ります。
 
 
2022年03月19日 16:53

軽症?重症?

693c34c3814769b2d92207baa2ce314c
 新型コロナウィルスのオミクロン株は感染力がつよく、デルタ株より重症化率は低いと言われています。
 しかし、この重症とか軽症の認識が、医師と一般の方では異なることが多いようです。

 「オミクロンに感染して、40度以上の熱が出た。入院できず、2~3日寝込んでいた。息苦しさなんかは無かったけど。」
結構しんどそうですが、これは軽症だそうです。酸素投与が必要になるのが、中等症。人工呼吸器まで必要になるのが重症だそうです。
なので、重症ってよっぽどですよね。それこそ命に関わります。

 ワクチンを打っていてもかかる人もいるし、重症化する人もいる。せっかくワクチン打ったのに、という気持ちもわくでしょうが、仕方ないこともあります。
 マスクをしていても、感染することもありますが、しないよりは、した方が感染しにくくなるし、他人にも移しにくいです。

 よくわからんですけど、「自分は大丈夫」、とマスクもしない人いますね。みんな自分はコロナにかかっているなんて思っていないけれど、一応マスクはしているわけです。
無症状でもウィルスをもっているかもしれません。症状がないからオッケー、では無いのです。マスクは他人への配慮のためにする事の方が大きいかな、と私は思っています。

 歯のことでも、痛いとこ無いからオッケーではないですよ。自分で気づく程の穴が開いた虫歯は重症です。歯に関して軽症は、熱も出ないし、痛くもないし、ご自身で気づくのは難しいことが多いです。歯医者に削られたー、抜かれたー、と言わず、重症にならないように歯科を受診することをおススメします。
 
2022年02月21日 17:58

ハミガキについて

download
 みなさんしているはずのハミガキ。でも虫歯になったり、歯周病になったりしてしまう。
 それはやり方が、間違っているからです。

 磨いているつもりでも、汚れがとれていないといけません。ここで言う汚れとは、食べカスではなく、プラークとかバイオフィルムとかゆうんですけど、
細菌のかたまりのことです。ヌメヌメした排水口の汚れと同じようなものです。
 虫歯も、歯周病も細菌が原因の感染症ですので、この細菌の量をできるだけ少なくしておくことが大切です。

 このバイオフィルムというのは、飲み薬とか含嗽剤でどうにかなるものではありません。ブラシやフロス等でこすりとらなければいけません。

 気をつけるポイント
①歯ブラシを細かく動かす 一本ずつ磨くように
  大きくザーッと動かすと、細かいところの汚れが取れません
②ブラシを色んな角度からあてる
   歯の付け根、歯と歯の間にブラシが当たるようにイメージしながら動かしてください
③力を入れすぎない
  汚れは力を入れたらとれるものではありません。また、力を入れすぎると、歯の根元や歯ぐきを傷付けてしまいます
④歯ブラシだけで届かない部分があります
  歯と歯の間はフロスや歯間ブラシを使いましょう。またワンタフトといって毛束の小さいブラシをおススメすることもあります

 自分では磨けているつもりでも、なかなか上手く出来ていないものです。その方にあったアドバイスもありますので、それはご来院ください。
 患者さん自身の、お手入れがレベルアップできることが、何より歯の寿命を延ばし、そしてお体の健康寿命を延ばすことに繋がります。
2022年01月28日 15:52

大掃除

OIP
 今年ももうすぐ終わりです。みなさん大掃除は済みましたか?

 汚れは目に見えていなくても、付いているものです。雑巾で拭いてみたら、こんなに汚れていたんだ、ということもありますね。
 普段そうじが出来ていない箇所なら尚更です。
 逆に、目に見えて汚れているなんてのは相当汚れているわけです。

 普段からキレイにしていると、大掃除も多少は楽になりますが、普段全然してないのに、ためてためて一気にやろうと思うと、大変だし、心が折れそうになるかもしれません。

 これはただ掃除の話を書いているわけではありません。健康管理、お口の中の管理も同じことが言えるのではないでしょうか。

 ご自身で気を付けてお手入れされ、歯科でのクリーニングも受けている方は、何かあっても大事にはなりませんし、処置も短期間で済みます。
 
 反対に、きちんと手入れもせず、いよいよになってから歯科を受診する方は、治療が一通り終えるのに期間も費用もかかりますし、処置の際痛みもあるかもしれません。
 「コロナで来れんかったからなー」という方がたまにみえますが、お手入れがきちんと出来ていれば、1,2年で大きな虫歯になることはありません。コロナのせいにしちゃダメです。

 来年こそはコロナに脅かされない普段通りの生活に戻れることを祈ります。みなさん良いお年をお迎えください。
2021年12月14日 14:37

建て前無しの本音ブログ

 中高生時代の友人から、歯の事で相談されることがあります。私は松阪にある三重中・高に通っていましたので、鳥羽市外の友人がほとんどです。なので、当院には通えず、電話で相談だけとかになることもあるのですが、ある友人が、
 「歯の検査して、悪いとこがあれば、気を遣わず全部言ってくれ」と言ってきました。ええよー、おいで、とは返事したものの、そいつはまだ来ていません。

 社会人として、本音と建て前があります。嘘はつきませんが、オブラートに包んでしか言えないこともありますし、忖度してなかなか言えないこともあります。気を遣わない友人であれば言えることも、一般の患者さんには正直に言えないことはあるのです。

 今回は、毒を吐くかもしれませんが、少し本音を書きます。

 他の歯科医院で勤めていた頃 耳にした、年配の先生の言葉が今でも思い出されるのですが、
 「保険診療はクソだ」
というものです。
 それを聞いた当初、まだまだ新米歯科医であった私は、なんてことをこの先生は言うんだと思いました。
 保険診療でも良い治療は出来る、自費診療はお金稼ぎのための贅沢品みたいなものだろ、と思っていたからです。

 思っていた、過去形なのです。今はそうは思っていません。勉強をし、レベルの高い治療症例をたくさん見てきて、意識が変わりました。勉強会や書籍で見たハイレベルな治療は保険診療では行われていなかったのです。
 自らも、経験を積み、実感しましたが、明らかに自費診療で行ったものの方が、良いものができ、患者さんの満足が得られました。
 逆に、保険で診療して、あまり満足していただけなかったこともあり、「保険ですから(仕方ない、妥協してもらうしかない)」と言うことも出てきました。

 「自分の親とか、大事な人にしたいと思う治療をしろ」
という言葉も聞きました。実際両親の治療をする際は、小さな詰め物くらいは保険診療と同じようにするのですが、被せ物とか入れ歯になると自費診療のやり方で治療するわけです(お金はもらいませんが)。それは自分が良いと思える治療をしたいからです。


 また、患者さんにより気持ちの入り方も違ってきます。こちらも人間なので好き嫌いがあります。
 保険診療だからやる気が出ない、とういことは勿論ありません。どういった方に気持ちが入らないかというと、
 「やる気がない」「歯を大事に思っていない」人です。
 具体的には、自分の気になったとこ(とれた所、痛いところ)だけ治してー、という方。他にも虫歯・歯周病ですよ、と説明しても治療をされない方は、こちらが出来ることはしれているわけで、悪くなったら抜歯していくだけです。
 またメンテナンスが大事ですよ、と説明しても痛くなった時とかしかみえない方も同様です。
 
 他には、無断キャンセル(予約をとって、なんの連絡もせず来ない)される方も嫌いです。社会人であれば、取引先など相手がお客さんであれば、絶対に予定を無駄キャンセルするなんてありませんよね。ただ、高齢の患者さんも多いので、予約を忘れてしまう方もみえます。それは仕方のないことだと思っています。
 
 なぜ予約をとっていただくか。その理由は、その方の治療の準備をして、時間を確保しておくためです。そして治療がスムーズに進むようにしておくことで、患者さんをお待たせせず、予定時間通りに終えることが出来ます。それを無断キャンセルされれば良い気はしません。急な予定が入っても電話くらいはできるはずだと思います。こちらから、連絡しても何の悪びれた様子もなく「今日は行けへんわー」という方もいます。こういう方はもう予約を取らないで欲しいと思います。
 以前、ある患者さんに「ここは待たせず予約時間にきちっとみてくれるで、すごいね」と言って頂いたことがあります。これは予約制であれば簡単なことです。予約時間を、約束を守って頂ければ当然なことなのです。
 お互い気持ちよく診療させてもらえるといいですね。
2021年11月22日 09:53

差し歯とは

article2_1_1
 いわゆる"差し歯"について、皆さんの認識は正しいでしょうか。

 歯科医師「この歯は、かなり傷んでいますので、もう抜いた方がよいでしょう。」
 患者さん「じゃあ、差し歯になるのですか?」

 という会話が時々あります。
差し歯というのは、以前に大きな虫歯になった歯で、根っこだけになってしまい、そこに土台を差して、被せてある歯のことをいいます。
  歯を抜く、というのは根っこからすべて取ってしまうことですので、根っこが無ければ差し歯も出来ないわけです。

 また、差し歯という状態は、その歯にとっては最終的な処置をしてある状態です。
 もう根っこしか残っていない歯を、何とか治療して残してあるわけで、そこが傷んでしまえば、またそこを治療して・・・といってもなかなか厳しい状態なわけです。言ってしまえば、もう後が無いわけです。

 差し歯になっても、根っこの部分は虫歯になってきます。これもご存じない方がみえますが、被せたからもう虫歯にならない、なんてことはありません。
 
「差し歯がとれてしまって付け直して欲しい。」という主訴で来院される患者さんがみえます。診てみると根っこが虫歯になっている。そうなると、付け直しが出来ないどころか、もう一度土台から作り直しても、あまり長持ちはしない可能性がある。先述したように、最終的な処置をしてあるところが、さらに悪くなってきたわけですから、条件としては最悪です。
 そうなると、この歯は抜いた方がいいでしょう、となってきます。「そこをなんとかお願いします。」と言われれば、何年ともたないかもしれませんが、それでも良ければ無理してやってみます、ということもありますが。

 かなりの時間をかけない限り、健康であった歯が、いきなり差し歯にしないといけない、とはなりません。
 しつこくお話している予防が大事なのですが、虫歯を早期発見・早期治療できるだけでも、その歯を長く使えることにつながります。
 いよいよになって、もうどうしようもなくなってからでは、その歯は残せない可能性が大です。歯医者嫌いな人ほど、その傾向が強く、歯も抜くことになるので増々歯医者嫌いになって、歯も悪くなってという負の連鎖に陥ってしまいます。

 もうすでに差し歯がたくさん、という方は危機感を持ってください。もう次は抜くしかないかもしれません。(て、脅してばっかりで嫌らしいですけど)
 被せた歯は、むし歯に強くなったわけではなく、むしろ要注意です。そこがまたむし歯にならない為には、必死になってケアをしていかなければいけません。
 悲観的になってばかりでもいけませんので、これからは予防だと意識が変えられるといいですね。
 
2021年10月27日 10:28

なぜインプラントが勧められるのか

OIP
 歯を失った時の選択肢は,
 入れ歯か、ブリッジか、インプラントです。
 失った範囲が大きい場合、ブリッジは出来ません。

 入れ歯もブリッジも、残りの歯に支えを持たせ、負担をかける事になります。以前にも書いたように、歯に余計な力がかかることは、その歯の寿命を縮めます。その点、インプラントは他の歯に負担をかけないように出来るため、結果的に他の歯を守ることになるのです。ここが、インプラントを勧める最大の理由です。

 インプラントの欠点は、お金がかかること(当院では一本38.5万円 税込み)、外科処置が必要なこと、歯が入るまでに時間がかかること(最短でも二か月はかかります)といったところでしょうか。
 
 私なら歯を失ったらインプラントをします。お金がかかっても、それだけの価値があるからです。
 でもこれは、人それぞれの価値観や経済状況にもよります。お金のことを言えば、ひどくなる前に定期的にメンテナンスを行い、重症にしないことが、結果的に安く済むし、良い状態を保つことが出来るのですが。

 インプラントって安全なの?どれだけ長持ちするの?
という質問もよく受けますが、きちんと検査し、メンテナンスを行えば大丈夫です。20~30年は全然もちます。もっと持つ可能性は全然あります。きちんと手入れを行えば、です。
 
 例えば、ある患者さんが歯周病で歯を失ってインプラントを希望したとします。
 「お金は払うから、しっかり噛めるようにして欲しい」と。
ただ、その患者さんに歯周病の検査、治療をしっかりせず、インプラントを入れた後も歯科医院でのメンテナンスを行わなければ、恐らくそのインプラントは失敗に終わるでしょう。
 どうなるかというと、腫れたり、ぐらついて抜けてしまいます。
 インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病(正確にはインプラント周囲炎)にはなります。
  ですので、メンテナンスは非常に大切です。それが守れない方は、自分の歯もインプラントも長持ちはしません。

 わたしが自費診療やメンテナンスを勧める理由は、患者さんがしっかり噛めるように、そして良い状態が長持ちしてほしいからです。
   ただ、インプラントが出来ない方、やめておいた方がよい場合もありますので、そのあたりは状況により説明致します。

 
2021年09月28日 11:26
医院名
木村歯科医院
住所
三重県鳥羽市大明東町20-3
電話番号
TEL 0599-26-2588
診療時間
9:00〜12:00
14:00〜18:00
休診日
木曜、日曜、祝日

院内紹介はこちら

モバイルサイト

木村歯科医院スマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら